ホームベーカリー導入してから順調にハマっている、パン作りの沼。元々、リッチなパンより、シンプルに生地が旨いハード系のパンが好きなので、プレーンな食パンをパラメータ(小麦粉の種類・銘柄、油脂、糖分、水分量、酵母、製法など)を変えて作るのを楽しんでいる。これまでに作ったのは、焼き上げまで全自動のパンがほとんどだけど、生地作りだけホームベーカリーに任せて、成形・焼成は自分でというパンも何度か余裕のある週末に作ってみた。まだまだ沼の入り口だけど、現在地をまとめつつ紹介。
小麦粉の種類・銘柄
小麦粉の特徴についてはもはや私が語るまでもないけど、奥の深い世界が広がっている。国産小麦は「春よ恋」「はるゆたか」「十勝ゆめブレンド(ゆめちから系ブレンド)」「ユメミルウサギ(ゆめちから系ブレンド)」「キタノカオリ」「ミナミノカオリ」「スローブレッド・クラシック」、外麦は「イーグル」「ゴールデンヨット」「リスドォル」、あとは全粒粉も混ぜて使ってみた。「春よ恋」「イーグル」「リスドォル」「キタノカオリ」が気に入ってリピート中。「春よ恋」「イーグル」は手に入りやすさと汎用性の高さから。「リスドォル」はフランスパン生地に使うには定番中の定番ということで、パン屋さんのバゲットの味がするのが良い。「キタノカオリ」は同じ国産小麦でもかなり特徴的な面白い子で、黄色味が強く、吸水性が高くてもちもちっていうかほぼ餅みたいなパンが焼ける。なぜかというと、でんぷんの割合がもち米と同じ、低アミロース・高アミロペクチンだからだそう。実際「キタノカオリ」で作ったチャバタがもう餅食べた方が早くない?っていうぐらい餅で面白かった。
材料の調達
「春よ恋」以外は手に入りづらいので、ネットショップで買ってるけど、富澤商店の商品を取り扱っていて品揃え豊富 & 送料無料のヨドバシドットコムが最強。ヨドバシ(富澤商店)にない粉もあり、それは他のショップも活用することになるけど、大体送料が500〜1000円ぐらいかかるので、少量の注文だと出来上がったパンの1斤あたりのコストかかりすぎてサステナビリティが低い。かといって、大量に買うと使いきれないので、うちにある粉の在庫状況とか色々考えて注文しないといけない。そう考えるとやっぱり送料のことを忘れられるヨドバシがすごすぎる。なお材料コストは送料以外はあまり気にしないことにしている。
イースト
インスタントドライイーストはカメリア、赤サフ、金サフ、天然酵母は白神こだま酵母、ホシノ天然酵母を使っている。どれが一番美味しいとかではなくて用途で使い分けている感じ。時間をかけられるならホシノ天然酵母が美味しいけど、酵母を起こすのに24時間、焼き上げまで7時間もかかるので、夜寝る前に朝ごはん用に予約タイマーをセットするつもりが寝落ちして間に合わなかった、ということが何度もある。あとは、あるお店のパンを再現したいので、ぶどう酵母を自分で作るのはやってみたい。
全自動パン
作りたいパンが多すぎるので、毎回違う条件でパンを焼いていて、たぶんまだ二度同じパンは焼いてない。最近はハードトーストにハマっていて、準強力粉の銘柄とか、加水率を変えたりしながら色々試している。理想のハードトーストを作るのはホームベーカリーではそもそもの製法的に限界がありそうだけど、発酵種を使うポーリッシュ法は試してみたい。
成形パン
あんフランス、コッペパン、白パン、プチパン、パンオフロマージュ、メロンパン(+かめver)、りんごぱん、チャバタを作った。あんぱんは包餡が難しくて成功率が低い。断面もいびつだけど味は問題なくて、焼きたてを食べると熱々のあんこが溶け出して、あんぱんというよりたい焼きを食べてるような気分になる。メロンパンはクッキー生地の付け方が雑になってしまったけど、パサパサしてないしっとり生地でちゃんと美味しい。(余談だけど、市販のメロンパンってなんであんなにパサパサしてるんだろう。一説によると全卵はパサつくらしいので、そのせいなのか?)
これからチャレンジしたいのは、食パン型で焼く食パン、ねこ型セラベイクで焼く食パン、クロワッサンあたり。
書籍
有名ベーカリーのシェフの本はKindle Unlimitedで読めるものが多くて良い。
Kindle Unlimited
今はもうオンライン販売しかやっていない有名店シニフィアン・シニフィエの志賀シェフのレシピ本。(直接行ったことはないけど、以前母が東京旅行するときにお土産に頼んだことがある。旨みがすごくて美味しかった)全自動レシピと成形レシピが載っている。粉の指定が細かく、大半のレシピが2〜3種類の粉をブレンドする「極み」のレシピになっているのが特徴。材料を揃えるのはハードルが高いけど、レシピ通りに作った(というか材料突っ込んだだけの)パンドミオーミエル(ハチミツがたくさん入るパン)はめっちゃ美味しかった。本全体を通して使われている粉は14種類……。時間をかけて全制覇したいと思う。ちなみにチャバタはキタノカオリ1種類で作れるのが良い。エスプリ・ド・ビゴのシェフの本。シニフィアン・シニフィエ本よりも粉の種類は少なくて説明も易しく初心者向け。好き。バリエーション豊富で写真も綺麗なので眺めてるだけでも楽しい。Martのムック本。神戸の人気ベーカリーのレシピをお手本にホームベーカリーで再現したという本。レコルト、コムシノワ、ブーランジュリNao、セセシオンなど、本当に有名どころのパン屋さんが協力している。「365日」の杉窪シェフのパン作りの哲学が詰まった本。セオリーから外れた製法だけど、その一つ一つに理由があり、丁寧に解説されている。パンをどうやったら一番美味しく食べてもらえるかを考えて食べ方を縛るのがデザインだ、という話が面白い。昭和のあんパンは、生地の中にあんこぎっしりがよかったんだと思います。でも、いまの時代、あんパン一個でお腹いっぱいにしたいですか。僕はノーです。
ここにめっちゃ共感したし笑った。
Kindle Unlimited 以外
「食べ切り」というコンセプトが良い。いくつか作った。だいぶ前にサラッと読んだんだけど、ある程度パン作りを経験してから改めて読み返してみると書かれてる内容が理解できて面白かった。ひとまず以上。また美味しいパンができたり、成形・包餡が上達したら自慢したい。